ITサービスマネージャ試験(PM1_H24-3)

解説

1

安全にシステムを切り替えるために、リスクを考慮して段階的に切り替えを実施していくという考え方。

表2より前半グループと後半グループの違いはトラブル時の宿泊通知の再送が“できるか”・“できないか”の違いである。

前半グループ:再送できる

⇒障害発生時に旧システムに切り戻しを行い、再送することが可能。

後半グループ:再送できない

以上より、前半グループから実施することで後半グループのリスクを低減することができる点に着目し解答を導く。

 

2

(1)問題文に回答がないパターン

移行計画を策定する場合は、トラブル発生時の切り戻しが容易になるように事前に検討しておくことが、ITサービスを安定して提供するためには重要。

〇前提条件

宛先ファイルが新旧システムで同一

Ex)新システムに不具合発生

旧システムの宛先ファイルをそのまま使用して旧システムに切り戻しが可能

 

(2)

表3蓄積ファイル「過去に送信した宿泊通知が記録されたファイル。旅行代理店ごとに1日1ファイル作成」に着目。

⇒移行日の前日までに作成された蓄積ファイルを移行前までに移行しておけば、当日分の蓄積ファイルのみの移行でよいため移行時間が短縮されると考える。

以上より、解答を導く。

 

(3)

問題文[ファイル移行計画の検討]「開発環境のサーバを利用してファイル移行テストを実施し1時間以内に移行が完了することを確認した。」に着目。

⇒開発環境のサーバは本番環境と同一の性能である旨が問題文に記載あり。

※問題文[宿泊通知管理システムのリニューアル]「新システムでは~E社が既に運用しているサーバ上に本番環境を構築」、「深夜には、各サービス用システムでバッチ処理及びバックアップ処理が行われていて、ファイル書込み処理の負荷が高い

⇒システム移行時間帯は午前4時から翌日3時までのため高い負荷が想定される。

そのため、高い負荷の下で移行が1時間以内に完了することを確認する必要がある。

以上より、解答を導く。

 

3

(1)

問題文[新システムへの切替え]「複数の旅行代理店が、宛先が異なるPC及びFAXを大量の通知を送信したときに、新機能である送信状況確認機能を利用したところ、処理が遅延」

⇒負荷テストの考慮漏れが原因であることが特定できる。

問題文[受入テストの実施]「現在のシステム構築時に想定した旅行代理店数及び宿泊通知件数のテストデータを用いて負荷をかけても、処理性能に問題がないことを確認」

⇒7年前に構築しているため、旅行代理店数及び宿泊通知件数も大幅に増加。

 処理能力増強やソフトウェア構成の大幅な見直しが必要なためリニューアルをする。

以上より、解答を導く。

 

(2)

問題文[新システムへの切替え]「障害発生時にサポートデスクでは一部の旅行代理店からの問合せに対して、K氏からの説明された時点の移行計画に基づいて現システムを調査したので回答に時間を要するなど、対応に手間取った。」に着目。

⇒サポートデスクに最新の移行計画の変更が連携されていないことがわかる。

以上より、解答を導く。